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Fumiです。
このコーナー「4 da Vinyl Junkies」では、ダンスミュージックの世界で秀作を送り出しながらも、感性が「時代より早すぎて(?)」あまりスポットを浴びなかったリミキサーやアーティストに、僕なりの個人的コメントをバリバリ含んだ上で、掘り返して語っていきたいと思います。激マニアちっくな話題満載です!
初回は僕の青春時代のスーパースター(笑)、「Sanny X」。
Sanny X、このリミキサーの名前をご存知の方います?(笑)80年代初頭〜90年頃までSanny Xは現在のDMC、「DISCO MIX CLUB UK」に所属。数々の「Mega Mix(メドレーみたいなミックスモノ)」の秀作を多く世に送り出し、その後のフォロアー達に多くの影響を与えた。彼の代表作は...
The Sweet / It's It's… the Sweet Mega Mix
The Sweet / The Sweet Mega Mix 2
Rolling Stones / Mega Mix
Grand Master Melle Mel / “Step Off, Sanny X Mega Mix”
Alien Sex Fiend / “Ignore the Machine”(Sanny X's Electrode Mix)
T-Rex / “Mega Rex 1”
T-Rex / “Mega Rex 2”
David Bowie / Mega Mix
Status Quo / Mega Mix
Billy Ocean / Mega Mix
George Kranz / Din Daa Daa, Sanny X remix、等など
あとはDMC(当時の「Disco Mix Club」)会員のみに配布されたオリジナル・ミックス・テープが僕の手元には数本あります。
確かヤツはスェーデン人という噂を聞いた事ありますが、本当かどうかは不明。名前の「X」は確か彼の名字の頭文字で、名字が「Xavier」とかそんな名前だったと思います。
Sanny Xのリミックスのスタイルは、「細かいテープ編集 + スクラッチ + メガミックス」という3大要素を含んだミックスを多く残しています。この手法は後述するとおり世界中に多くのフォロアーを産み出していきます。今現在皆さんがFMのミックス番組や、”That's Eurobeat Vol. …”、”Super Euro Beat Vol….”などのミックスCDで聴けるタイプのミックス、ブートレッグ盤などで出ていたミックスレコード (CD) は、全て80年代初頭〜中盤にSanny Xが残したミックスワークをお手本としているのは間違いないでしょう。更にはこのコーナーで次回取り上げる予定のNYの2人組のエディット野郎、The Latin Rascalsにも多大な影響を与えたのは間違いないと思います。いわゆる、「ガ・ガ・ガガ・ガン・ガン・ガ・ガ・ガガ・ガン・ガン」みたいな、何言ってるかわかんない人にはわかんないでしょうけど、今で言う「サンプリング音の連打」という事を当時オープンリール・テープをスプライサーでななめに切って、スプライシング・テープで貼り付けて、という実際にやってみた事がある人には分かると思うけど、気の遠くなる様な作業を繰り返してオリジナル・メガミックス(メドレーみたいなの)を作っていたイカレた野郎なのです。
今の時代ならサンプラーに音を録って、鍵盤押して、シーケンサーに記憶させる、って2〜3分でできちゃう事をこの当時は1個所の編集に20分位、と相当な時間とお金をかけてやっておりました。
そんなSanny Xに憧れた当時、まだ20歳位だった僕としては「よ〜しおれも一丁やったる!」とばかり、知り合いから中古のオープンリールを捨て値で購入。オープンリールテープ、スプライサー、他一式を揃えて作業開始。とにかく気の遠くなるような作業をチマチマとやりました。たしかこの時期に何とかというDTM関連の雑誌が創刊され、その創刊号には、当時ロン毛でビビアン・ウエストウッド着用のClub D時代の藤原ヒロシ氏が簡単に作業法を解説していました。この手法で僕が作ったテープは覚えている範囲で以下の通り。玄人受けする選曲でやっててもみんな分かってくれなかったので(みんなもともとこういう曲なんだ〜、という反応だったので)、分かりやすいオチャラケミックス作りました。
Bay City Rollers Mega Mix(ベイシティローラーズのレコードが家に何枚かあったので)
Kiss Mega Mix(Kissは元々好きだった)
Def Jam Mega Mix(初期の音源をいろいろミックス)
Kyoko Koizumi Mega Mix(なぜか!レコード何枚かあった?)
あと知人に頼まれて作った物では
Boowy Mega Mix(曲を良く知らなかった分、逆にめちゃくちゃにいじりやすかった)
Miho Nakayama Mega Mix(中山美穂メドレー)等など...
まあ自分の話はさておきSanny Xの話題へ...
Sanny Xは仕事として受けてリリースされる作品はグラムロック系が多く、「こいつは間違いなくイカしたロック野郎だろう」と、当時のDJ仲間の友人と話しあったモノです。でもヒップホップの仕事もこなすし「こうもり野郎な凄いやつ」という印象でした。しかし、こんなアンダーグラウンドなリミキサーが一般メディアに取り上げられる訳でもなく、Sanny X様の風貌や経歴は謎に包まれたままでした。
彼の一連のシリーズに当時ヤラレた、MELONのKUDO氏、藤原ヒロシ氏、GOTA屋敷氏などが日本で「YMO Mega Mix」「アンルイスMega Mix」などを続々リリース。更にはこの「テープ編集」を「サンプリング」のテクノロジーで簡単にカバーできる時代に入ってからは、MID、JG'sなどなど、多くのフォロアーを日本でも産み出していった大本の張本人が彼なのでした(と僕は勝手に思う)。
しかし、サンプリングマシンの急激な台頭と低価格化によって、「テープ編集」という作業は徐々に姿を消していきました。時同じくして'89年頃、一般向けにリリース開始した、「DMC RECORD UK」でSanny X個人名義のシングルがリリースされましたが (タイトル忘れ) 、内容は大ゴケでした。Sanny Xの中ではすでにこの時期には、「マシンガン・エディット」は興味無いものになっていたのでしょうか。本人名義のシングルは普通のダンストラックでした。
また、それ以降に数枚の「メガミックス」を発表するも、内容は以前の様な激しいテープエディットは影を潜め、スムースに展開していくミックスものへと変貌。昔を知っているファンには物足りない作品が増えていきました。その代わりに同じDMC UKに所属していたDAKEYNEやChad Jacksonなどが、以前のSanny Xの王道エディット道を継承し「E.L.O. Mega Mix」その他、「The Cure」「RUN DMC」「Public Enemy」「L.L.Cool J 」「Beastie Boys」「Guns'n'Roses」「Duran Duran」などのメガミックスを今度は「サンプラー」を駆使してリリースして行きました。
その後最後に確認できたのは'89年頃、当時のDMCの大会で審査員を努めるSanny X様の勇姿をDMCチャンピオン大会のビデオでついにちらっと拝見。Billy Idolバンドのギタリスト、Steve Stevens似のロック野郎で、長髪をなびかせて審査員席におられました。この風貌でグラムロック、ヒップホップ、なんでもバキバキに料理してスクラッチまでして、なんて最高格好いいやつなんだ!思ってた通りのイカシた野郎だぜ!と心底しびれたものでした。
しかし、それからというもの名前は聞かないし、一体今どこで何されているのか。ご存知の方、教えて下さい。もしくは「俺もっと詳しく知ってるよ」、「俺なんかSanny Xの友達だもんね」なんて人(笑)、ご一報を!
Sanny Xの作品の中で僕の一押しは、The Sweet (UKの70'sロックバンド) のメガミックス。Part 1と2がリリースされてますがPart1の方が内容が濃いです。
70年代ロックの粗っぽさとSanny Xの粗削りなミックスが、絶妙なコンビネーションを産み出して最高です。サンプラーを使うと良くも悪くも「正確な同じ音の繰り返し」ですよね。でも、テープ編集だとスプライシングした部分の微妙な「ズレ」とか、「録音状況の差」が生じて繰り返される音がちょっとずつ違ってたりするもんで、そこがまた格好いいんです。
それでは次回まで。次回はNYダンスミュージック界80年代後半に台頭したエディット野郎、ラテン・ラスカルズにスポットを当ててお送り致します。
このコーナーで掘り下げてほしい希望がありましたらリクエストもお寄せ下さい!
Written by Fumi Kondoh
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